2021-09-01から1ヶ月間の記事一覧

解釈の独善性について(2)

前回の続きなのだが、この問題についてこのようにしつこく書くのには二つの理由がある。ひとつは、小説家の桜庭一樹氏と文芸評論家の鴻巣友季子氏との間にこのほど持ち上がった対立は、たんに両者の対立というにとどまらない、日本近代小説の根幹に触れる大…

解釈の独善性について

小説家の桜庭一樹氏が8月25日付朝日新聞朝刊に掲載された文芸時評(以下①と呼ぶ)中、自作「少女を埋める」(文學界9月号)への評に異議を唱えている。私は評者である鴻巣友季子氏が提示した作品の読み方、また、9月7日付朝日新聞朝刊文化欄の記事「本紙『文…