2010-08-01から1ヶ月間の記事一覧

翻訳の成立に先立つ決定の過程について――加藤典洋、そしてクワインを手掛かりに

文芸評論家の加藤典洋がいま文芸誌「群像」に連載している「村上春樹の短編を英語で読む」は、そのタイトルから想像される内容に反し、英訳の出来が吟味される機会がじつは少ない。例外は第5回。この回で加藤氏は、村上春樹の最初期作品「ニューヨーク炭鉱の…