2021-02-01から1ヶ月間の記事一覧

折口信夫『死者の書』冒頭部に見る計算について(フランス語の節連鎖についても少々)

折口信夫の小説『死者の書』の出だしの言葉は絶妙に気持ちが悪い。 彼の人の眠りは、徐かに覚めて行つた。まつ黒い夜の中に、更に冷え圧するものゝ澱んでゐるなかに、目のあいて来るのを、覚えたのである。 した した した。耳に伝ふやうに来るのは、水の垂…