2019-04-24から1日間の記事一覧

暗いバス通り――保坂和志「こことよそ」論(2)

この作品は、話者の「私」が年の暮れ、「谷崎潤一郎全集の月報にエッセイを書いてほしいという依頼」を受けたという話で幕をあける。「エッセイの趣旨は作品論的なものでなく個人的な思い出のようなものということだったから『細雪』のことを書こうかと思っ…